artistry and craftsmanship

2002年8月23日
美には最低限ふたつのみちがある、と思う。芸術と、熟練と。

 芸術とは内なるものを描き出す作業だと思う。だから美術に限ることではないかもしれない。
 でもそれをせずにはいられない人間がいる。芸術家と呼ばれる人達。彼らの生み出すものは、たとえ世界中が賛同しなくても、たった一人,即ち自分が納得すればそれは芸術になる。

 熟練とは人に見られるものを磨き上げる作業だと思う。独自性を追求し突き詰める作業だが、最後の価値判断は他人が下す。自分ではない。出来る限り多くのものを納得させ魅了するか、それが熟練の本質であるように思う。

 どちらにしても美に到達すると思うのだけれど。

 素晴らしいから人が立ち止まるのであって、人が立ち止まるから素晴らしいのではない。美しいものを生み出そうとするから目にとまるのであって、目にとめてもらうために美しいものを生み出す訳ではない。
 そんなことも分からない人が、己の経歴と技量に絶対の誇りを抱き、その物差しで美という価値基準のない絶対存在を計ろうとし、認められないものを容赦なくはじき出し、あまつさえ美以外の物差しで作者を批判する。そしていう。「立ち止まってもらわなければそれで終わりなのよ」と。

 何を勘違いしているのだ。

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